
焦点工房が、DK-OpticのライカMマウント用中望遠レンズ「CHIARO(キアーロ)75mm f/1.9」を2026年10月23日に発売した。往年のレンズの描写と意匠を現代に再現したというコンセプトのレンズで、ブルーコーティング版は世界限定250本、ノンコーティング版は世界限定50本という限定品だ。
75mmという焦点距離は、50mmより少し寄った画角で人物や街のスナップを切り取れる、ライカMユーザーにはおなじみの中望遠。そこにf/1.9の明るさと16枚の絞り羽根、さらにコーティングの有無で描写の方向性を選べる仕様が組み合わさっている。数字だけ見ても、かなりこだわりの強いレンズだ。
ということで、「CHIARO 75mm f/1.9」の特徴と、どんな撮り方に向くレンズなのかを解説していく。ライカM用レンズ選びの参考にしてほしい。
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【スペック】35mmフルサイズ対応、4群6枚・F1.9の75mm
CHIARO 75mm f/1.9はライカMマウントに対応し、35mmフルサイズの撮像画面をカバーする。レンズ構成は4群6枚、絞りはF1.9からF16までだ。
75mmは、人物を撮るときに相手との距離をほどよく保てる焦点距離。50mmだと寄りすぎる場面でも、一歩引いた位置から顔や上半身をしっかり切り取れる。街中のスナップでも、背景を整理して主役だけを抜き出す使い方がしやすい。
そこに開放F1.9の明るさが加わる。開放付近では被写界深度が浅くなるから、背景を大きくぼかして被写体を浮かび上がらせる撮り方ができるし、夕方や室内のような光が少ない場面でもシャッタースピードを稼ぎやすい。逆にF16まで絞れるから、日中の風景をしっかり写したいときにも対応できる。
最短撮影距離は0.7m。テーブルフォトのような寄りの撮影が得意なレンズではないけど、人物のバストアップや小物を少し離れて撮るなら十分な距離だ。
スペック
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| 製品名 | CHIARO(キアーロ)75mm f/1.9 |
| ブルーコーティング版の限定数 | 世界限定250本 |
| ノンコーティング版の限定数 | 世界限定50本 |
| 対応マウント | ライカM |
| 対応撮像画面サイズ | 35mmフルサイズ |
| 焦点距離 | 75mm |
| レンズ構成 | 4群6枚 |
| フォーカス | MF(マニュアルフォーカス)※距離計連動型 |
| 絞り | F1.9-F16 |
| 絞り羽根 | 16枚 |
| 最短撮影距離 | 0.7m |
| フィルター径 | 49mm |
| サイズ | 約Φ58×82mm |
| 質量 | 約340g |
| 付属品 | 49mmプロテクトフィルター、レンズフード、フードキャップ、リアキャップ |
| メーカー保証 | 2年間(自然故障が対象) |
| 発売日 | 2026年10月23日(金) |
| ブルーコーティング版メーカー希望小売価格 | 323,000円(税込) |
【絞り羽根】16枚羽根で開口形状にこだわった設計

このレンズで目を引くのが、16枚という絞り羽根の多さだ。一般的な交換レンズは9枚前後の羽根が多いから、16枚はかなり多い部類に入る。
羽根の枚数が多いほど、絞ったときの開口部は多角形から円に近い形になる。つまり、少し絞って撮ったときでも点光源のボケが角張りにくい構造ということ。開放だけでなくF2.8やF4あたりまで絞って使う場面でも、ボケの形を意識したい人にとっては見逃せないポイントだと思う。
75mmの中望遠は、背景のボケが写真の印象を大きく左右する焦点距離。夜の街の灯りや木漏れ日を背景に人物を撮るような使い方で、この16枚羽根が活きてくる。
【コーティング】ブルーとノンコーティングで描写の方向性が違う


CHIAROは、コーティングの違いで2つの仕様が用意されている。
ブルーコーティング版は世界限定250本。クラシックレンズらしい柔らかな描写を残しながら、発色とコントラストを引き立てた仕様だ。オールドレンズ風の雰囲気は欲しいけど、色が浅くなったり眠い写りになったりするのは避けたい、という人に合う方向性だと思う。普段使いのポートレートやスナップで、扱いやすさを重視するならこちらが候補になる。
ノンコーティング版は世界限定50本。光のにじみやフレアを積極的に取り入れ、より個性的な表現を楽しむための仕様になっている。逆光や光源を画面に入れる構図で、にじみやフレアを表現として使いたい人向けだ。
同じ光学系でも、コーティングの有無で狙う写りがはっきり分かれているのは面白い。正直、ノンコーティング版はかなり尖った選択肢なんだけど、50本という限定数も含めて、刺さる人にはたまらない仕様だと思う。
価格は、ブルーコーティング版がメーカー希望小売価格323,000円(税込)だ。
【操作性】距離計連動のマニュアルフォーカス

フォーカスはMF(マニュアルフォーカス)で、距離計連動型だ。ライカMのレンジファインダーカメラでは、二重像を合わせるいつものやり方でピントを合わせられる。
75mmでF1.9の開放となると、ピントの合う範囲はかなり薄い。距離計に連動するから、ファインダーを覗きながら被写体の目にピントを置くといった、レンジファインダーらしい撮り方ができる。
AFレンズのように何でも自動で合わせてくれるわけではない。ただ、ライカMマウントのレンズを選ぶ人にとっては、この距離計連動こそが前提条件。マウントに付けてそのままMシステムの操作感で使える点は、純粋に評価できるポイントだ。
【サイズ・付属品】約340g、フードとプロテクトフィルターが付属
サイズは約Φ58×82mm、質量は約340gだ。フィルター径は49mmで、ライカM用レンズとしてよく使われるサイズに収まっている。
75mmでF1.9という明るさを考えると、極端に大きいレンズではない。ボディに付けたまま持ち歩いて、街歩きのスナップや旅行で使うのも現実的なサイズ感だと思う。
付属品は、49mmプロテクトフィルター、レンズフード、フードキャップ、リアキャップ。プロテクトフィルターとフードが最初から付いてくるから、別途買い足さなくても前玉を守りながら使い始められる。特にノンコーティング版のようにフレアを表現に使うレンズでも、フードがあれば状況に応じて光の入り方をコントロールしやすい。
メーカー保証は2年間で、対象は自然故障だ。30万円クラスの限定レンズだから、保証期間が明示されているのは安心材料になる。
【まとめ】どんな人の選択肢になるか

CHIARO 75mm f/1.9は、ライカMマウント用の35mmフルサイズ対応中望遠レンズだ。4群6枚の光学系、F1.9-F16の絞り、16枚の絞り羽根、距離計連動のMFを搭載し、質量は約340g。ブルーコーティング版は世界限定250本でメーカー希望小売価格323,000円(税込)、ノンコーティング版は世界限定50本という構成になっている。
柔らかさを残しつつ発色とコントラストを引き立てたブルーコーティング版は、人物や街のスナップを雰囲気よく撮りたい人向け。にじみやフレアを積極的に取り入れるノンコーティング版は、逆光や光源を使った個性的な表現を狙いたい人向けだ。
とはいえ、価格も限定数も含めて誰にでも勧められるレンズではない。ライカMのレンジファインダーで75mmのポートレートやスナップを撮っていて、レンズごとの写りの違いを楽しみたい人。そんな人にこそ、チェックしてほしい一本だ。
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